FRECIOUS dewo iiのある暮らし 東京と箱根。2つの拠点がある、豊かな暮らし。 IDÉEディレクター 大島 忠智さん

<IDÉE>のブランドディレクションをはじめ、無印良品のギャラリー「ATELEIR MUJI」の企画展示なども手掛ける大島忠智さん。国内外を移動し、さまざまなプロジェクトに関わる多忙な日々を過ごす大島さんの癒しは、箱根にあるセカンドハウスの存在。時間に余裕がある週末は、東京から車で移動し、休息を取る。ここでの過ごし方について話を聞きました。

ナチュラルカラーでコーディネートした、
インテリア空間。

高台に建ち、自然を眺望できる大島忠智さんのセカンドハウスは、眺めていて、心地よい景色がそこかしこに広がっている。上質な木製建具、閉じたときに「一枚の格子」に見える連続性のあるモダンデザインの障子、それを全開放した先に見える箱根の山並み、少しずつ集めてきた「北欧モダン」を象徴するヴィンテージ家具。そして、窓辺には、空間に馴染ませるように「FRECIOUS dewo ii」が置かれていた。

「自宅にある家電製品はホワイトもしくはアイボリーでカラーを統一し、ナチュラルなムードで揃えています。それもあって『FRECIOUS dewo ii」の『キナリ』カラーは、コーディネートしやすいですし、北欧やヨーロッパのデザインとの相性がとてもいいと思いました。曲線が印象的なデザイン、ボタンや給水口の位置やサイズなどが絶妙ですし、機能性が高い。以前、ペットボトルを差し込むタイプのウォーターサーバーを使ったことがありますが、それよりも給水がスムーズで。使いやすさを感じています。箱根は都内よりも寒い時季が長いので、白湯を飲む機会が増えました。『HOT』『NORMAL』『COLD』と並ぶボタンの『NORMAL』を一押しするだけで、ちょうどいい温度の白湯が飲めるなんてすごく便利。時間が短縮できるし、結構、面倒くさがりな自分にとって助かる存在です。水の味わいがとてもまろやかなのも好みです。そのときの気分に合わせて、コーヒー・紅茶・日本茶を淹れるときに使っています」

インテリア空間
ちょうどいい温度の白湯が飲めるなんてすごく便利
20世紀を代表するフランスの女性建築家、デザイナー シャルロット・ペリアンがフランスのスキーリゾート施設内のバーのためにデザインしたテーブルをダイニングテーブルに。「ペリアンが民藝の影響を受けてデザインした幾何学模様のタイルや経年変化した木の質感が好きですね」
レコードで音楽をかけてみたりしながら
アートブックやインテリア関連の本を眺めたり

北欧の人々から学んだ、休息の時間。

旅先で購入したばかりの珈琲豆で、コーヒーを抽出する大島さん。ドリッパー、リッターピッチャー、取手のデザインがユニークなマグカップなど、デザインの細部に注目したくなるプロダクトが並ぶ。

「僕はたびたび北欧に買い付けに行くのですが、ヴィンテージのディーラーと商談していると彼らは『フィーカの時間』と言って、仕事を中断して休憩を取るんです。それは大体、10時と15時頃と決まっていて。お茶を飲み、お菓子をつまみながら、20分くらいゆったりする。時折、仕事の話にもなったりするのですが。そんなふうに自分の好きなお茶と焼き菓子を楽しみながら心と体を休める習慣を持つのがとてもいいな、と。それからは、僕も真似してそうした時間を意識的に取るようになりました。アートブックやインテリア関連の本を眺めたり、レコードで音楽をかけてみたりしながら」

本を読んでみたり、お茶を飲んだり

箱根のセカンドハウスで週末を過ごすようになり、家での時間がとても豊かに感じられるようになったそう。

「例えば、山登りをしてみたり、森の中で自然観察をしたりするのかなと思っていたのですが、実はまだそうしたことを一回もしたことがなくて。週末にこの家に来たら、外の景色を眺めながら音楽を聴いたり、本を読んでみたり、お茶を飲んだり。夜は温泉に入ってから、お酒を飲んでリラックスして。ときには、友人を招いて、食事を囲むことも。東京で暮らしている平日は朝から夜まで仕事をしているのでなかなかそういった時間を持てないのが現実。だからこそ、週末はガラッと切り替えて、ぼんやり過ごしたい。それが、すごくリフレッシュになりますし、同時に頭の中を整理する時間になります。そんな、なんでもない時間を楽しむ意識は、北欧の人々の暮らし方に触れて、学びました」

家での時間がとても豊かに感じられるようになった
生活を愛し、日々の営みを親しい人とシェアすること

生活を愛し、日々の営みを親しい人と
シェアすること。

旅に出て、新しい体験をすることで、ふだんの日常に変化が訪れる。

「北欧の人たちは、『生活』が一番重要だと捉えていて。生活の充実の先に仕事がある。そういう視点を持っているので、何歳になっても学んでいこうという精神を持っているんですよね。決して、お金をたくさん持っているとかではないのですが、シンプルに暮らしを楽しもうとしている姿勢に豊かさを感じています。加えて、人を招く文化が日常的に根付いているから、掃除をする習慣がきちんとできているし、ホスピタリティもある。彼ら、彼女らは、日々の暮らしを楽しんでいるということをみんなに見てもらいたいようなところがあるんです。そんなスタイルを僕も見習いたいと思って、気が向いたときに友人を招くようにしています」

心がけひとつで、生活の楽しみに奥行きが生まれる。四季を感じることもそのひとつだという。

「春になると山々に咲いている桜を遠くから眺められます。夏は木々の深い緑色がとてもきれいで。秋は紅く染まった葉のグラデーションが素晴らしい。冬は落葉して裸になった木々と常緑樹の両方があり、その渋い佇まいをしみじみ眺めるのも好きです。室内でゆったりと音楽を聴くのは大好きですが、窓を開けて、自然の音を聴くのも、とても味わい深いものがあります。鳥の声に耳を澄まし、風の音を聴く。それだけで十分、癒されます」

心がけひとつで、生活の楽しみに奥行きが生まれる
クルマでドライブを楽しむこともある

ときには、クルマでドライブを楽しむこともある。

「ずっと免許を持っていませんでしたが、コロナ禍に都心で過ごすしかできない状況になり、なんとなく車を運転してみたいと思うように。それで、衝動的に教習所に申し込みました(笑)。最初は新車に乗ろうと思っていましたが、人生の先輩から『クルマは自己表現だから』と教えをいただいて。その言葉が心に響いて、本当に好きなクルマに乗ろうと思い立ち、ヴィンテージカーに乗っています。箱根に来たら必ず1時間程度はドライブしますね。山道を走ったり、御殿場のファーマーズマーケットまで出かけたりも。『ポーラ美術館』にもサッと行けます。そんなふうに行動範囲がグンと広がる感じが嬉しくて。移動中の相棒は、飲みものと音楽。ボトルに天然水を注ぎ、携帯します」

仕事に没頭する時間と休む時間。そのどちらも大切にすること。年齢を重ねても、軽やかに新しい体験を楽しむ大人は格好いい。

大島 忠智さん

Profile 大島 忠智 Tadatomo Oshima

インテリアブランド〈IDÉE〉ディレクター。1998年IDÉE入社。飲食事業部門のマネージャー、広報、バイヤーを経て、現在はブランドのディレクションを担当。インタビューウェブマガジン「LIFECYCLING」音楽レーベル「IDÉE Records」の企画・運営にも携わる。選曲、DJも行う。また、〈無印良品〉のギャラリー「ATELIER MUJI」の企画展示も手がけている。

photo : Hitoshi Sakurai
edit & text : Seika Yajima

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